Voyage en Europe

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シエナ:中世イタリアの宝石、カンポ広場とドゥオーモの観光まとめ【イタリア・トスカーナ旅行おすすめスポット】

フィレンツェから日帰りでも訪れることができるシエナ(Siena)は、イタリア・トスカーナ州に位置する中世の面影をそのまま残した美しい街です。

ルネサンスの洗礼を受けたフィレンツェとは異なり、シエナは中世ゴシック様式の建築が今もそのまま生きており、まるでタイムスリップしたような感覚に陥ります。街全体がユネスコ世界遺産に登録されており、外れなしの美しい街です。

 


シエナってどんな街?

シエナはトスカーナ州の中央部、なだらかな丘の上に広がる人口約5万人の街です。フィレンツェからは車や列車で約1〜1.5時間とアクセスも良く、トスカーナ旅行の定番コースに組み込まれることが多い観光地です。

中世には独立した都市国家として繁栄し、フィレンツェと激しく対立していた歴史を持ちます。14世紀のペストの大流行で人口が激減し、以降フィレンツェに覇権を奪われたことで街の発展が止まりました。しかしそれが逆に功を奏し、中世の街並みが手つかずのまま残ることになったのです。

今日では、街全体がユネスコ世界文化遺産に登録されており、カンポ広場やドゥオーモをはじめとする中世建築の宝庫として、世界中から観光客が訪れます。


世界で最も美しい広場・カンポ広場

イタリア・シエナのカンポ広場(世界遺産)

シエナの中心に位置するカンポ広場(Piazza del Campo)は、ヨーロッパで最も美しい広場のひとつとして世界的に知られています。扇形(貝殻形)をした赤レンガ敷きの広場は、周囲を中世の建物にぐるりと囲まれており、その景観は圧巻のひと言です。

写真は曇天の夕方近い時間帯に撮影したものですが、それでもこの迫力は伝わるかと思います。広場の赤みがかったレンガの色、重厚な石造りの建物、そして空の青みがかった雲が重なり合って、なんとも劇的な雰囲気を醸し出しています。

広場には椅子やベンチは置かれておらず、人々は思い思いにレンガの上に座り込んでのんびりしています。観光客も地元の人も一緒にここで休憩したり、日向ぼっこしたり。まるで街の「リビングルーム」のような場所です。

 

毎年7月2日と8月16日には、この広場を舞台にパリオ(Palio)と呼ばれる伝統的な競馬レースが開催されます。シエナの17の地区(コントラーダ)が代表の馬と騎手を送り込んで争うこのレースは、中世から続く伝統行事で、何万人もの観衆が詰めかける一大イベントです。


カンポ広場のシンボル・マンジャの塔とプッブリコ宮殿

プッブリコ宮殿(Palazzo Pubblico)とマンジャの塔(Torre del Mangia)

カンポ広場の一角に建つのがプッブリコ宮殿(Palazzo Pubblico)と、その隣に聳えるマンジャの塔(Torre del Mangia)です。

プッブリコ宮殿は14世紀初頭に建てられたシエナ市庁舎で、ゴシック様式の優美なアーチが連なるファサードが美しい建物です。現在も市庁舎として使われている部分があり、内部にはシモーネ・マルティーニなどの巨匠による中世絵画を所蔵する市立美術館が入っています。

そしてその左側に天高くそびえるのがマンジャの塔。高さは約88mあり、14世紀の建設当時はイタリアで最も高い建造物のひとつでした。塔の上まで登ることができ、シエナの街並みとトスカーナの丘陵地帯を一望できます。ただし階段は400段以上あるので、それなりの体力が必要です。

シエナ路地から見るプッブリコ宮殿

路地の隙間からカンポ広場を覗いた写真は、まさにシエナならではの光景。石畳の坂道の先に広場と塔が現れる瞬間は、旅の感動のピークといっても過言ではありません。


シエナのドゥオーモ(大聖堂):外観

イタリア・シエナのドゥオーモ(Duomo di Siena)

カンポ広場から丘を少し登ったところにあるのが、シエナのドゥオーモ(Duomo di Siena)です。正式名称はサンタ・マリア・アッスンタ大聖堂といいます。

写真をご覧ください。白・黒・赤の大理石で飾られたファサード(正面)は、まさに圧倒的な存在感です。ゴシック様式の尖塔や精緻な彫刻、頂部に輝く金色のモザイク画、そして黒と白のしましまのカンパニーレ(鐘楼)が組み合わさって、ほかに類を見ない独特の美しさを誇っています。

建設が開始されたのは13世紀で、完成まで数百年かかった大聖堂です。実はシエナ人たちはこれよりもさらに巨大な大聖堂を計画していたのですが、14世紀のペストの流行によって計画は中断。その未完成の部分の壁が今も残っており、シエナの野心と悲劇の歴史を今に伝えています。


ドゥオーモ内部:息をのむ白黒の世界

シエナのドゥオーモ内部

ドゥオーモの外観も圧巻ですが、内部に入ると更に驚かされます。白と黒の縞模様の大理石の柱が並ぶ身廊は、まるで異世界に迷い込んだような幻想的な空間です。

天井は深い青に金の星が散りばめられ、さながら夜空のよう。床一面には56枚にも及ぶ大理石の象嵌細工(インタルシア)が施されており、旧約聖書の場面や古代神話が描かれています。その精緻さは「世界最大の大理石の絵画」とも称されるほどです(一部は特定の時期のみ公開)。

ニコラ・ピサーノによる八角形の説教壇、ドナテッロの青銅製の床板など、中世から初期ルネサンスにかけての彫刻の傑作も多数収められています。美術の教科書で見たことがある作品に実際に対面できる、これがイタリア旅行の醍醐味です。


ピッコローミニ図書館:極彩色のフレスコ画

イタリア・シエナ:ピッコローミニ図書館

ドゥオーモの内部に入ると、左側にある小さな扉からピッコローミニ図書館(Libreria Piccolomini)に入ることができます。この部屋は15世紀末にピウス3世(ピッコローミニ家出身の教皇)が、先代のピウス2世の生涯を記念して建設したものです。

写真を見るだけで、その豪華さに圧倒されます。天井から壁まで、すべてがピントゥリッキオとその工房によって描かれた極彩色のフレスコ画で埋め尽くされており、金色・青色・赤色が組み合わさった装飾は息をのむほど鮮やかです。壁面には10枚のフレスコ画があり、ピウス2世の生涯の主要な場面が描かれています。

入場料は別途必要ですが(ドゥオーモのチケットとセット販売あり)、これを見ずにドゥオーモを出ては絶対に後悔します。ぜひ立ち寄ってみてください。


中世の路地裏を歩く

イタリア・シエナの路地裏

カンポ広場やドゥオーモといった有名スポットも素晴らしいですが、シエナの本当の魅力は路地裏にもあります。石畳の坂道が入り組んだ旧市街を、地図を持たずにぶらぶらと歩くだけで、中世の街並みをそのまま体感することができます。

写真の路地のように、石造りの建物が密集し、緩やかな坂道が続く路地は、観光客も少なくとても静かです。ふと顔を上げると窓辺に花が飾られていたり、ネコがひなたぼっこしていたり。喧騒を離れてこういう場所をのんびり歩くのが、シエナ観光の真骨頂かもしれません。

シエナの旧市街は城壁に囲まれた小さなエリアなので、迷子になっても大丈夫。坂を下れば必ずカンポ広場に辿り着きます。


シエナのお土産:マヨリカ焼き

イタリア・シエナのマヨリカ焼き

シエナを歩いていると、路地に面したショップの外壁に色鮮やかな陶器の皿が並んでいる光景をよく目にします。これがマヨリカ焼き(Maiolica)です。

白い素地の上に鮮やかな青・黄・緑・赤などで絵付けされたこの陶器は、トスカーナを代表する伝統工芸品。写真のショップでは、大皿から小皿、壺、タイルまで様々なアイテムが揃っています。果物や風景、聖母子像など、絵柄も豊富です。

イタリアらしさが詰まったお土産として非常に人気がありますが、割れ物なので持ち帰りには注意が必要です。ショップによっては梱包・発送サービスも行っているので、気に入った品があれば相談してみましょう。


シエナのレストラン:歴史ある空間でトスカーナ料理を

イタリア旅行のときに入ったレストラン

シエナの旧市街には、雰囲気抜群のレストランが数多くあります。写真は中世の建物をそのまま使ったレストランの内部で、石造りのアーチ天井には色鮮やかなフレスコ画が描かれ、壁にはシエナの17のコントラーダ(地区)の紋章がずらりと並んでいます。まるで中世の宮殿の中で食事をしているような、とても贅沢な体験です。

シエナ料理の代表的なものといえば、リボッリータ(野菜と豆のスープ)、パッパ・アル・ポモドーロ(トマトとパンのスープ)、そしてキャンティブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどトスカーナの銘柄ワインです。また、シエナ名物のお菓子パネフォルテ(スパイスとナッツが入った硬いケーキ)はお土産にも最適です。

カンポ広場周辺のレストランはやや観光地価格になりますが、少し路地に入るとより地元らしいお店を見つけることができます。


番外編:フィレンツェのドゥオーモ

シエナとセットで訪れることが多いフィレンツェのドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)も少しご紹介します。

blogeurope.ooenoohji.com

特に夕暮れ時のドゥオーモ正面とジョットの鐘楼(カンパニーレ)。白・緑・ピンクの三色大理石が幾何学的なパターンを描くファサードは、いつ見ても圧倒的な美しさです。カフェのテラス席からドゥオーモを眺めながらアペロール・スプリッツを一杯……これ以上の贅沢はないかもしれませんね。

シエナとフィレンツェは同じトスカーナ州内にあるので、1〜2泊の旅程でセットで観光するのが定番コースです。フィレンツェを拠点に、シエナへ日帰りするのが最も効率的です。


まとめ

シエナは、イタリア旅行で必ず訪れてほしい街のひとつです。

  • カンポ広場:世界で最も美しい広場のひとつ。夏のパリオも必見
  • マンジャの塔・プッブリコ宮殿:中世ゴシックの傑作建築
  • ドゥオーモ:白黒の縞模様が美しい大聖堂、内部も必見
  • ピッコローミニ図書館:極彩色のフレスコ画が圧巻
  • 路地裏散策:中世の街並みをそのまま体感
  • マヨリカ焼き:トスカーナらしい陶器のお土産
  • トスカーナ料理:歴史ある空間でいただく本場の味

フィレンツェからのアクセスも良く、日帰りでも充分楽しめますが、できれば1泊してカンポ広場の夜景も楽しんでください。昼間の喧騒が嘘のように静まり返った夜のシエナもとても素敵ですよ。